なぜ翼は、黒毛和牛ひつまぶしを名古屋の肉ダイニングのメニューに加えたのか

8月も終わりに近づくと、日中の強い陽気の中に、夕風のわずかな変化を感じるようになります。まだまだ暑い日が続いていますが、夜の時間をどう楽しむか、少しずつ意識が変わってくる季節です。冷えたビールのうまい夜には変わりないけれど、「何を飲むか」と同じくらい「何と一緒に飲むか」を気にしはじめる。そんな飲み方を大切にしている方が、藤が丘にも確実に増えていると感じています。

今回は、肉カフェダイニングアフロのオーナーシェフ・服部翼が「なぜ黒毛和牛ひつまぶしをメニューに加えたのか」というテーマで書きます。けれどもこの話の本質は、ひつまぶしそのものより、クラフトビールとともに楽しむ食体験をどう設計するかにあります。

こんな方におすすめ

  • ✅ コンビニや量販店では買えない、小規模醸造所のクラフトビールを食事と合わせて楽しみたい方
  • ✅ 藤が丘・名東区周辺で「本格的な肉料理×クラフトビール」のペアリングができる店を探している方
  • ✅ チェーン居酒屋とは違う、大人の夜の使い方をしたい方
  • ✅ 黒毛和牛を使ったメニューを、ビールと一緒に丁寧に楽しみたい方
  • ✅ 記念日・誕生日・仕事帰りのディナーに「ここだ」と思える一軒を見つけたい方

「ひつまぶし形式」を選んだのは、一杯ずつ味が変わるから

正直に言うと、黒毛和牛をひつまぶし形式で出すというアイデアは、最初から決まっていたわけではありませんでした。ステーキとして出すことも、丼として仕上げることも考えました。でも最終的にひつまぶしという食べ方にたどり着いたのには、理由があります。

ひつまぶしは、一杯目はそのまま、二杯目は薬味を足して、三杯目はだし茶をかけて——と、同じ素材で三度、味わいが変わる食べ方です。これがクラフトビールとの相性を考えたときに、非常に面白い。

たとえば、一杯目をそのまま食べているあいだは、黒毛和牛の脂の甘みを活かしたい。ここに合わせるのは、麦芽の風味がしっかりしたヴァイツェン系や、軽くフルーティなセゾンが映えます。だし茶を注いだ三杯目になると、今度はホップの苦みが立つIPAや、酸のあるサワーエールとの対比が生きてくる。

食事の途中で、飲むビールを変える。この「ペアリングの変化」を楽しんでもらえる構造として、ひつまぶし形式はほぼ理想的でした。実は、クラフトビールに合わせるために肉メニューを組んでいる、その裏側についても以前に書きましたが、黒毛和牛ひつまぶしはその考え方がもっとも凝縮されたメニューかもしれません。

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月替わりクラフトビールが、食体験の「主役」になる瞬間

アフロのクラフトビールは、全国の小規模醸造所から直接買い付けた月替わりのラインナップです。チェーン居酒屋や量販店で手に入る銘柄とは根本的に違う——それは産地や原料の話だけでなく、つくり手の意図が一杯に詰まっているという点で異なります。

たとえばある月に入ってきた東北の醸造所のペールエールは、地元の麦芽を使った穀物感のある仕上がりで、ローストした肉の香ばしさと驚くほど調和しました。別の月に選んだ九州のサワーエールは、柑橘の酸味が鮮烈で、黒毛和牛のひつまぶしにだし茶を注いだ三杯目と合わせたとき、まるでコース料理のようなまとまりが生まれた。

そういう体験を提供したくて、ビールのラインナップを「月替わり」にしています。毎月通ってくださるお客様が、「今月は何が来てる?」と聞いてくださるのが、正直いちばんうれしい瞬間です。全国の醸造所から直接仕入れるアフロのクラフトビール調達の裏側に、この選定の考え方をもう少し詳しく書いています。

店内には、これまで飲んだクラフトビールの空き缶を壁一面に積み上げた「クラフトビール空き缶ウォール」があります。Carlsbergのネオンサインを中心に構成されたこの壁は、訪れた方がほぼ必ず写真を撮っていかれるほどのビジュアルになっています。この壁の缶の数が、アフロで提供してきたビールの歴史でもあります。

✓ ここまでのポイント

  • 黒毛和牛ひつまぶしは「一食で三度味が変わる」構造が、クラフトビールのペアリング変化と重なるため採用された
  • 月替わりクラフトビールは全国の小規模醸造所から直接買い付けており、チェーン店では飲めない銘柄が毎月入れ替わる
  • 店内の「クラフトビール空き缶ウォール」は、その積み重ねの記録であり、唯一無二のフォトスポットでもある

「だし茶をかけた三杯目に合わせるビールは何が来ているんだろう」と思ったなら、実際に席を押さえるのが早いです。食べログからネット予約できるので、電話が難しい仕事帰りでもそのまま予約まで進められます。

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黒毛和牛ひつまぶしの、具体的な楽しみ方

メニューとしての黒毛和牛ひつまぶしは¥4,378。使用する牛肉は黒毛和牛のみで、脂のなじみがよく、だし茶との相性を計算した仕上げになっています。

アフロならではの楽しみ方として、私がおすすめする順番はこうです。

一杯目:そのまま食べる。肉の脂の甘みと、ご飯の旨みだけで食べる。このときに合わせるクラフトビールは、できれば麦芽の風味が前に出るスタイルを。その月のラインナップにヴァイツェンやアンバーエールがあれば、まずそこから始めてみてください。

二杯目:薬味を足す。薬味が入ると、肉の味が引き締まり、軽やかさが加わります。ここでホップが効いたペールエール系に切り替えると、食べ進む手が止まらなくなります。

三杯目:だし茶をかける。だしの香りが広がり、ひつまぶし全体がまとまる瞬間です。このタイミングで酸のあるサワーエールやファームハウス系を合わせると、食事全体が一つのコースとして完結する感覚があります。

クラフトビールは飲み放題プランの対象外になっていますが、それはこのビールがそれだけの個性と背景を持っているから。「今月はこれを選んで」とお伝えできるのも、一杯ずつ向き合っているからこそだと思っています。名古屋でクラフトビールとディナーを同時に楽しむための5つのポイントも合わせて読んでもらえると、ペアリングの全体像がつかみやすいと思います。

「駅を出てすぐにある・雰囲気がよい・肉がおいしい」

食べログ口コミより(30〜40代・複数件)

藤が丘駅の改札を出て30秒(67m)という立地は、仕事帰りにふらっと立ち寄れる距離感でもあります。「今日はちゃんとしたもの飲みたい」という夜に、この店が選択肢に入ってほしいと思ってメニューを設計しています。

12月の宴会問い合わせが教えてくれたこと

少し話が変わりますが、毎年12月になると、電話での宴会問い合わせが突出して多くなります。「忘年会をアフロでやりたい」という声は、開業当初から少しずつ増えてきました。

その問い合わせの中で感じるのは、「チェーン居酒屋ではなく、ちゃんとした肉が食べられる場所で忘年会をしたい」という幹事さんの意識の変化です。参加者から「また同じ店か」と言われたくない、という切実な声も電話越しに聞こえてきます。

そういう幹事さんに伝えたいのは、アフロには2名から40名まで対応できる宴会コースがあり、貸切は最大50名まで受けられるということ。そして何より、クラフトビールと熟成肉の組み合わせという体験は、参加者の記憶に残ります。

ただ、今回の記事のテーマはあくまで「黒毛和牛ひつまぶしとクラフトビールのペアリング」です。12月の繁忙期の話を持ち出したのは、「クラフトビールと本格的な肉料理を、ちゃんとした空間で楽しみたい」という欲求が、日常のディナーにも宴会にも、通底していることを伝えたかったからです。その感覚を持っている方に、アフロのメニューは作られています。

まとめ:ひつまぶしは、ペアリングを楽しむための「設計」だった

黒毛和牛ひつまぶしをメニューに加えた理由を一言で言うなら、「一食の中でクラフトビールとの関係が三度変わる食べ物が欲しかった」ということです。ステーキも溶岩プレートで楽しむ熟成肉も、それぞれに合うビールはある。でも、一皿の中で味が変化していき、それに合わせて一杯を選び直せるメニューはなかった。その空白を埋めたのが、ひつまぶしという形式でした。

藤が丘駅改札から30秒の場所で、全国の小規模醸造所から直接買い付けた月替わりクラフトビールと黒毛和牛ひつまぶしを合わせる体験は、名東区ではここにしかありません。今月のクラフトビールのラインナップは店内でお知らせしています。ぜひ一度、足を運んでみてください。

ご予約・お問い合わせはお電話でも承っています。
052-772-2911

黒毛和牛ひつまぶしと今月のクラフトビールの組み合わせを、実際に試してみたくなったでしょうか。藤が丘駅改札から30秒のアフロで、月替わりの一杯とともに味わえます。食べログのネット予約から日時を選んで、大人のペアリング体験を確保してください。

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